
日本では馴染み深い、渦巻き型の蚊取り線香。猛暑が予想される今夏も、すでに多くの家庭で使われていることだろう。夏の風物詩とも言える蚊取り線香だが、実は海外にも輸出され、アジアのタイでも使われているそうなのだ。
前回の記事では蚊取り線香のルーツについて伺ったが、今回は海外で使われている蚊取り線香について、『金鳥の渦巻』を販売する大日本除虫菊に話を伺った。――タイでも蚊取り線香が販売されているとのことですがどのような商品名なのですか?
日本では『金鳥の渦巻』という商品名ですが、タイでは通常のレギュラータイプは、単に『キンチョウ』という商品名で販売されています
――タイでキンチョウ(金鳥)といえば、蚊取り線香そのものを指すんですね。では、タイで販売されている蚊取り線香は、日本のものと違いがあるのでしょうか?
殺虫成分は日本の商品と同じですが、基礎となる原料が違います。日本の商品は木粉などですが、タイはココナッツなどを使用しているんです。その他、2010年に新発売したシマ蚊用蚊取り線香は従来のものとは有効成分が違います。タイでは年中蚊が発生するため、薬剤抵抗性のあるシマ蚊(デング熱を媒介する蚊)がみられるようになりました。そこで、タイの大学と共同研究し、抵抗性のあるシマ蚊に効果のある成分を配合した蚊取り線香を開発したんです
――材料がココナッツとは、国ごとに入手しやすい材料を使っているんですね。その他に、日本の蚊取り線香との違いはありますか?
東南アジアでは香りつきの線香が主流で、線香にも色をつけています。また人の生命に関わることでもあるため、低所得者でも購入しやすい価格に設定しています。非常に安い価格で発売されており、日本とは大きな価格差がありますね
熱帯に属するタイでは、蚊取り線香の必要性は日本よりも切実なのかもしれない。国が変われば蚊取り線香も変わる。お盆休みに海外旅行に行く人は、その国の蚊取り線香をチェックしてみては?
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●取材協力・大日本除虫菊元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/08/ThinkstockPhotos-156878680.jpg
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