
婚姻届というと、白地のシンプルな書式がお決まりですが、生涯の伴侶と契りを結ぶ証としては、やや無味乾燥なデザインである感は否めません。
せっかくの門出、書類ひとつにもこだわりたいと考えるカップルも多いことでしょう。そんな二人におすすめなのが「まちキュン・ご当地婚姻届」。結婚情報誌ゼクシィと全国の自治体とがコラボして、デザインされた、オリジナルの婚姻届です。現在25の県と市区が参加し、じわじわ人気を集めているという新たな試みを取材してみました。
大事な婚姻届、単なる「手続き」にはしたくない!
結婚式や披露宴、新婚旅行……などなど、結婚には楽しいイベントが目白押しなわけですが、なかでも、ひときわ二人の気分を高揚させるのが「婚姻届の提出」ではないでしょうか。籍を入れ、恋人から夫婦になる瞬間。それは、単なる手続きを超えた特別な儀式であるはず。筆者は入籍したことはないけど、おそらくそういうものなのでしょう。
そんな大切な瞬間をさらに思い出深いものにしてくれるのが「まちキュン・ご当地婚姻届」。幸せな結婚を後押しする「幸せ応援地域プロジェクト」と全国の自治体がコラボした共同プロジェクトで、県別、市区別に趣向を凝らしたオリジナルデザインの婚姻届を展開しています。(※各自治体の婚姻届は、専用ホームページからダウンロード可能)
では、どんなデザインがあるのか? 特に話題になっている婚姻届を見てみましょう。
【画像1】twitterでも話題になっているという京都府の婚姻届。冬の雪景色バージョン(左)と、春の梅バージョン、さらに京都WEDDINGを表現したバージョン(右)3種類があります(画像提供:幸せ地域応援プロジェクト×ゼクシィ)

【画像2】熊本県の婚姻届は特産のトマトをハート形に見立てた、ラブ全開なデザイン。四隅には、ふたりの愛を抱きしめたくまモンがあしらわれています(画像提供:幸せ地域応援プロジェクト×ゼクシィ)

【画像3】縁結びで知られる出雲市。出雲大社のしめ縄と出雲神話をモチーフにした婚姻届は、長きにわたる良縁を願うカップルに人気とのこと(画像提供:幸せ地域応援プロジェクト×ゼクシィ)

【画像4】韮崎市(山梨県)の婚姻届けは、名産のフルーツをあしらった、なんとも彩り豊かなデザイン。中央には樹齢約320年の「わに塚のサクラ」が満開の花を咲かせ、二人の門出を祝福しているかのよう(画像提供:幸せ地域応援プロジェクト×ゼクシィ)
なお、通常の婚姻届は役場にて受領されたのち、そのまま回収されてしまいますが、「まちキュンご当地婚姻届」は【提出用】と【記念用】の2種類が用意されていて、一部は思い出の品として手元に残ります。家族になった証を手元に置いておけるのって、すごくうれしいですよね。分かります、結婚したことないけど。

【画像5】こちらが【記念用】。写真やメッセージを書き込むスペースもあったりして、いい思い出の品になりそうです(画像提供:幸せ地域応援プロジェクト×ゼクシィ)
婚姻届の書式は自由? 住んでる街じゃなくても出せるの?ただ、気になる点も。そもそも婚姻届って、無地じゃなくていいんでしょうか? けっこう派手なデザインのものもありますが、正式な書類として受け取ってもらえるんですかね?
「じつは法律で定められているのはサイズ(A3)や、記載する項目だけで、デザインそのものにこれといったルールはありません。また、提出する場所も居住地域の役場でなくてOK。全国どの市区町村でも受け付けてもらえます。ですから、住んでいる場所に関係なく、好きなご当地婚姻届を選んで、当該の自治体に届け出ることが可能です」(ゼクシィ首都圏版編集長 神本絵里さん)
とはいえ、あまり奇抜な色や、個性的すぎるもの、窓口が眉をひそめるようなデザインは好ましくありません。その点、各自治体お墨付きのご当地婚姻届なら、むしろ大歓迎されることでしょう。
「特典」で選ぶのもアリ? 婚姻届の旅へなお、同プロジェクトに参加する自治体のなかには、ご当地婚姻届を提出した夫婦に対して「特典」を用意しているケースもあるようです。例えば、大津市(滋賀県)にご当地婚姻届を提出すると、その場で「琵琶湖を周遊するクルージング招待券」が贈られるとのこと。
また、驚くべきは韮崎市(山梨県)の特典。地元の赤ワインプレゼントに加え、2015年8月16日に開催される地元の花火大会での特別観覧席および、そこで打ち上げられるメッセージ花火が進呈されるという豪華さです(花火大会の特典は、2015年7月31日までに提出した場合)。
その他、保存用の婚姻届けに貼れる記念写真やオリジナルの受付印を用意している自治体も。婚姻届って窓口にて事務的に処理されるイメージなんですが、そんなお役所仕事とは一線を画す温もりを感じる対応といえます。特典そのものもさることながら、門出の瞬間を祝福モード全開で迎えてもらえることが何よりの魅力なんじゃないでしょうか。
「旅先や思い出の地で婚姻届を出したいと考えるカップルは意外と多いもの。私自身、結婚前は関西に住んでいましたが、婚姻届はプロポーズを受けた横浜で提出したいと思い、旅行も兼ねてわざわざ横浜の中区役所まで出しに行きました。ただ、そのときは事務的に処理されてしまったのが少し残念だったので、そのときにこうしたサービスがあればよかったのになと思いますね」(「まちキュン・ご当地婚姻届」仕掛け人である、幸せ応援地域プロジェクトの浅古尚子さん)
プチハネムーンを兼ねて婚姻届を出しにきたカップルが、そのまま当地の魅力にふれる。それは自治体側としても、若い夫婦に地元をPRする絶好の機会になるはず。実際、「まちキュンご当地婚姻届け」のホームページ上では、各自治体が盛んに環境の良さや子育て施策の充実ぶりをアピールしています。
幸せな暮らしをイメージさせることで、若い移住者を呼び込む糸口にもなり得るご当地婚姻届。どうやら、単なるイベント的な試みではないようです。少子高齢化は地方共通の悩みだけに、今後導入する自治体が増えていくかもしれませんね。
●参考リンク・まちキュン・ご当地婚姻届元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/08/95120_main.jpg
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