![住まいの防犯[上] 一人暮らし女性はとにかく施錠をしっかりと](http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/03/108391_main-283x176.jpg)
空き巣や忍び込みなど、「住まいを狙った犯罪」。全体としては減少傾向にあるものの、最近では、空き家や空き部屋を拠点にした「新型犯罪」も登場しているそう。安全生活アドバイザーの佐伯幸子さんの解説と対策を、3回に分けて対策を紹介しよう。今回は女性の一人暮らし編。金品の被害もさることながら、身体に万一のことがあったら……と思うと、対策は欠かせない。
まずは玄関と窓の施錠を徹底。オートロックでも油断しない!
「女性の一人暮らしは、モノを盗まれる以上に、身体への危険に備えたいもの。お金やモノは働けばまた得ることはできても、心のキズは一生残りますから」と佐伯さん。女性の犯罪被害者に話を聞くと、「もう少し、対策していれば」「あのとき、こうやって行動していたら」と自分を責めてしまい、会話中に泣いてしまったり、取り乱してしまう人は少なくないという。
「一人暮らしをするにあたって、大切なのは心構えです。一人暮らしの住まいでは、侵入口となるのは、玄関か窓です。実は侵入被害の原因の第1位は、無施錠なんです。まずは、玄関と窓の施錠を徹底することからはじめましょう」とアドバイスするという。というのも、近年のマンション、アパートでは、オートロックがついていることが多いため、油断して玄関と窓の施錠をしていない人が多いのだという。
「オートロックなどでは、鍵をもっていない人を建物に入れてしまうことを“共連れ”といいます。海外では、一緒に入ろうとすると“NO”ときっぱり断る人も多いと聞きますが、日本人はお互い様となってしまい、なかなか難しい。結果的に不審者が建物に入るのを許してしまうんです」と佐伯さん。
そして一度、建物内に入ってしまえば、死角となる場所に潜み、玄関があいたところで押し込み強盗をはたらく、というケースも少なくないそう。
「なかにはオートロックのマンションを限定して狙って、連続で犯罪をしていたという事件もありました。また、一人暮らしで犯罪にあった住戸のうち、無施錠だったというケースはとてもよく聞きます。オートロックを過信せず、施錠を習慣化してください」と話す。
佐伯さんによると、「人の目にふれるものはすべて個人情報。犯行を考える人にとっては、この情報をもとに狙っているんです。極力、情報は出さないように心がけて」と、以下をオススメしているそう。
1.カーテンは女性が好みそうな色・柄を選ばない
2.窓辺にぬいぐるみなど、性別の推測できるものを置かない
3.洗濯物は室内干しに。外に干すなら短時間で
4.表札は苗字のみ。ごくごくシンプルなデザインに
5.ドアスコープ(外を確認するのぞきレンズ)は隠し、扉をあけたとき、部屋が丸見えにならないよう、のれんやカーテンなどを
「今まで数多くの犯罪の現場に行きましたが、外側から見て、“あ、女性の一人暮らしだろうな”と推察できた現場は数多くありました。好みのインテリアをしたいという気持ちは分かりますがが、外から見えない部分で工夫できると思います。最近では、中性的なカーテンなども多いですし、インテリアを楽しむときにも、どこかで“安全かな”という視点を忘れないでほしいですね」と話す。
内覧時は、物件にどんな人が住んでいるのか聞いてみるそういえば、少し前に浴室の天井を壊して、上階から女性一人暮らしの部屋に侵入したというニュースもあったが……。
「集合住宅だと、同じ位置にユニットバスが配置されていますから、自宅のユニットバスの床を壊し、床スラブを壊して、下階の換気口などから侵入する手口は不可能ではありません。ユニットバスの天井に違和感を覚えたら、不動産管理会社に相談を。また、部屋を見学するときにも、それとなく、上下左右の住戸にどんな人が住んでいるのかを聞いておきましょう」(佐伯さん)
その際、直接的にどんな人が住んでいるのですか?と聞いても教えてもらえないことを想定し、「前に友人が怖い思いをしたことがあって、お隣にお住まいの人はどんな人ですか?」「生活時間が違うとトラブルになりやすいと思うのですが、どんな人が暮らしているのですか〜?」などと、ひとひねり加えると、教えてもらいやすくなるそう。
やるのであれば、確実な防犯対策を!最近では、専門店やホームセンターだけではなく、100円ショップなどでも防犯グッズを見るようになった。
「ドアスコープの目隠しやつっぱり棒&シャワーカーテンなどは、その良い例で、手軽に防犯になるアイテムだと思います。また、防犯ジャリの代わりとして、ビー玉をベランダに撒いておく手もあります」と活用法を指南する。鍵をかけ忘れたらウィンドウの色が変わり、外出先でも施錠したかどうか分かる商品も、女性の一人暮らしにはオススメだという。
一方で、防犯対策をするのであれば、確実に使いこなしてほしいという。
「例えば窓に侵入防止アラームを取り付けたものの、日常の開け閉めの際にうっかり鳴らしてしまい、結局スイッチを切るようになってしまった……では意味がありません。万一の際に正しく作動してこその防犯グッズと心得ておきましょう」(佐伯さん)
また、防犯で大切なのは、野生のカンだそう。
「防犯には音やニオイ、気配に敏感になるといった、五感を働かせることが大切なんです。草食動物は常に警戒を怠りませんよね。それと同じ。なんか嫌だな、なんか怖いかな、と思ったら、早めに対策をしましょう。被害にあってからでは、取り返しがつかないのですから」。女性の一人暮らしを楽しいものにするためにも、できる限りの対策は、きちんとしておくのが良さそうだ。
・安全生活アドバイザー 佐伯幸子さん/All About 防犯「ピッキング・泥棒の対策」元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/03/108391_main.jpg
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