
2015年12月、SUUMOと地域の子育てネットワークをすすめるAsMama(アズママ)のママサポーターが共同で実施した「多子を育てやすい間取り&設備」についての座談会。前回は、お風呂や脱衣・洗面所、キッチンなど、水まわりや玄関などで、不満な点、困っている点について話をまとめた。後編となる今回は、「収納」「負担に感じる家事」についての内容をご紹介。子育てにともなう家事の負担軽減や増え続けるおもちゃ、子どもの作品が片付かない問題など、日々の工夫を聞いた。
多子になって負担が大きくなるのは、「洗濯」
前回は間取りの工夫についての話題だったが、家事省力化については、どのような工夫をしているのだろうか。まずは気になる家事の負担具合から。「子どもの数が増えて、最も大変になった家事は?」という質問には、なんと「洗濯!」という声で一致。
「3人子どもがいるので、洗濯物の量が多い。一日中、洗濯物を干したり、たたんだりしている」
「子どもが増えると、圧倒的に洗濯物の量が増えた」
「こんなに洗濯が大変だと思わなかった」という声が。
一方で、まだ子どもが1人というママからは、
「夫が家事動線を徹底的に研究している。そのため、洋服をたたまないで、かけるだけ。下着など入浴後に使う衣類は洗面所にしまってあります。要は動線上にモノがあるかどうかだと思います。あと、洗濯物はたたまないで、ハンガー収納に。わが家だと洗濯は1週間で1時間程度」という工夫の声が。すると、いっせいに「えー」「いいなー」という声があがっていた。
また、こうした洗濯物の家事負担を軽減するため、「室内干しスペースは欲しいですか?」という問いかけには、「場所による。バルコニーの物干しと室内干しの距離が短くないと、使いにくい」という要望も。
つきつめていくと、室内干し兼物置きになるスペースがよさそうという結論に。また、子どもが小さいうちはハンガー収納を駆使した、「ファミリークローゼット(場合によっては室内干しも可能)」も喜ばれそうだ。
また、家事の省力化ということで、洗濯乾燥機、ロボット掃除機、食器洗い乾燥機を「三種の神器」と言って、フルに使いこなしているママも。家電は使いこなせれば、かなり力強い味方になっているようだ。

【画像】多子を育てつつも、ママサポーターとして活躍するみなさん。「子育てあるある」とうなずいてしまうものから「子どもが増えると、こんな不便が?」という驚きのコメントが寄せられた(撮影:SUUMOジャーナル編集部)
あきらめるしかない? 片付かない問題をどうするさらに、家事のお悩みとして挙がってきたのが、「家が片付かない問題」だ。
子ども1人でも大変なのに、さらに多子になるとさらにモノが2倍、3倍になる。一方で、収納には限界があり、すぐに片付かない状態に陥ってしまう。また、預かり育児をするとしても、とっちらかった室内で子どもを預かるのは危険でもある。みなさん、どのように工夫をしているのだろうか。
「リビングで預かることが多いので、寝室などにすべてのものをしまって、一時的にでも隠す。寝室は出入り禁止にする」という、「隠し部屋をつくる」方法が多数派に。さらには片付けるのをあきらめている、という切ないコメントも。
「オモチャが全部散乱しちゃっている環境とか、もう慣れたというより、片付けることをあきらめているかも……」
確かに「片付かないーー!!」とイライラして、子どもを叱り続ける状態よりは、「ま、いっか」と受容しないと、親子ともども苦しくなるもの。そもそも、子ども服やおもちゃ、幼稚園などの作品はどうしているのだろうか。
「子どもの作品は写真撮影をして、思い切って捨てる」
「作品はある一定の時期までは飾っておいて、お互い満足・納得してから処分する」
「服などは、ママ友とすぐに交換。リサイクルショップで売る、役所などの掲示板で必要な人に譲るを徹底している」
などと、処分する方法を教えてくれた。現状としては、モノが増えるスピードと処分との「イタチごっこ」というのが正確なようだ。
それでは、理想の収納などはあるのだろうか。
「とにかく狭くていいので、納戸のような小さな空間が欲しい。何かあったらそこにしまって隠せる空間」
「リビングの上部空間がもったいない。造り付けの棚があって、収納できたらいい。できたら扉があって、サッと隠せるとなおうれしい」
「見せる収納は、掃除が大変だし、地震が怖い」などという声も。
「有孔ボードやスチールラックなどを使った、動かせる収納は興味あるかも」
そこでSUUMO池本編集長から、「例えば、子どもの遊ぶスペースを限定できたらいいんじゃない?」という提案があると、
「汚れても良いスペースと、ダメなスペースの区分けができたらいい」
「リビングから見えて、片付けなくていい、子どもを放置できる空間があるのは助かる」という声が。
また、ママからは、「子どもはすぐに大きくなるので、成長に合わせて可変できることが大事。常に最適化できる間取りがいい」という、説得力のあるコメントも。
とにもかくにも、子どもが小さいと長時間を過ごすことになる住まい。「これからもう一人、子どもが欲しい!」という人や、子どもが複数いて、「今、まさにマンション探しをしている人」の参考になれば幸いだ。
●取材協力AsMama(アズママ)●子どもが多いと何が大変? ママ座談会[1] 風呂場の安全、狭い玄関元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/01/104893_main.jpg
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