
特にここ数年、夏になると必ずと言っていいほど聞く熱中症のニュース。今年も暑い日が続き、何かしらの対策を行っている人も多いのではないだろうか。
そんななか、夏の熱中症被害を事前に防ぐべく、声かけの輪を広げる取り組みを行う「熱中症予防声かけプロジェクト」をご存じだろうか。今回、本プロジェクトの事務局長の山下さんに、具体的にどういった活動を行っているのか聞いてみた。――まず「熱中症予防声かけプロジェクト」はどういった経緯で発足したのでしょう?
2010年に日本を襲った猛暑で、熱中症の救急搬送者数が約5万6000人を超えたことから、環境省と一緒に熱中症の予防啓発活動を実施することになりました。特に「声をかける」という、コミュニケーションの力を使い、熱中症弱者である高齢者や子どもに啓発を行っていくことが目的です
――なるほど。現在、活動の輪もかなり広がっていると聞きました
そうですね。2011年からスタートし、もう既に全国の900を超える自治体、1500を超える企業、さらに280を超える民間団体に賛同いただいています。共通のロゴマークや5つの声かけを活用し、それぞれの強みを活かして活動いただいてます
――官民問わず、かなりの賛同者がいるのですね。ちなみに、5つの声かけとは、どんなものですか?
「飲み物を持ち歩こう」「温度に気を配ろう」「休息をとろう」「栄養をとろう」「声を掛けあおう」の5つです。熱中症予防に一番重要なことですね
――そういえばつい先日、渋谷駅前でイベントを実施されているのをお見かけしました
ありがとうございます(笑)。熱中症予防の啓発イベントは、最近特に力を入れていることの1つです。特徴として、必ず“参加型”にしています。例えば冷たい氷柱に触ってもらい、どこを冷やせば有効かをレクチャーする。また、大切な方に「暑いときは無理をしないで」というメッセージを叫んでもらう。それらを実施いただいた方に、暑さ対策商品をプレゼントするというイベントです
時には命を失う危険もある熱中症。だが、たった一声掛けるだけで、未然に防ぐことができるかもしれない。小さな子どもやお年寄りがいる家庭も、こういった活動がさらに広がっていくと心強いはずだ。
●取材協力・熱中症予防声かけプロジェクト元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/08/ThinkstockPhotos-486501183.jpg